RZ系点火不良などの対策について。
 
RZ系の車両を維持管理している皆様方には大変お世話になっております。
常日ごろのご厚意に対し、厚く御礼申し上げます。
 
お陰様で、現在までに弊社CDIの販売台数がシリアル番号設定以降500番台を超えました。
お褒めの言葉を頂戴した事も多々ありましたが、お叱りの言葉も数多く届いております。
製品の製作に当り、細心の注意を払い作業しております。
また、完成後には完成検査をしたうえで、皆様のお手元に届けさせて頂いております。
更に、ランダムに実車テストも行っており、基板や、新しい部品を取り入れた時は必ずテストを行い確認したうえで販売
させていただいております。
にも拘らず、ごく少数ですが、不良品が出てしまう事も事実です。
多くは、使用部品の個体的な不良が原因で、サーキットに異常が発生してしまうという事になります。
実に悩ましい問題として改善に心がけてはおりますが、万一そんな状況に遭遇されてしまった場合、誠意をもって対処
させて頂く所存でございます。
よろしくお願いいたします。
 
悩ましい問題は、もう一つ有ります。
と、言うのは、車両の劣化について、検証に手間が掛かるという事です。
経験が有るという方々も多いとは思いますが、トラブルの中で、特に当社も他人事では済ませられない関わりが有ると
ころの点火系に関するトラブルです。
点火系といえば、エンジンの3要素とも言われている中の1つです。
エンジンにとっては、点火系のトラブルは避けて通る事の出来ない事案であることは間違いありません。
普段の整備に関わる流れとしては、点火系トラブルに対処する場合、まず「スパークプラグ」あたりを確認すると思います。
スパークプラグの状態を診て、焼け具合、更に、点火しているかどうかの確認です。
点火していないようでしたら、新しいスパークプラグに変えて再度確認という事になると思います。
ここで、点火している様でしたら、ひとまず、スパークプラグを交換して終了という事になります。
試運転をして、問題無ければ、作業終了です。
しかし、これで済まない場合。
次に目を向けるのが、プラグキャップ、プラグコード、イグニッションコイルあたりの確認作業です。
プラグキャップは単純な作りなので、目視でも確認できると思いますし、取り敢えず新しいプラグキャップに変えてみる
のも良いかも知れません。
プラグコードは、外観の様子と、抵抗値の計測で簡単に判断できるものと思います。
イグニッションコイルもやはり、外観の様子と、抵抗値の計測で簡単に判断できるものと思います。
と、まぁ、この辺りまでは然程悩まされる問題は含まないと思います。
ここまでで解決できる内容であれば、頭を抱えるような事にはなりません。
 
本当に悩ましい問題は、ここからです。
スパークプラグ、OK。
プラグキャップ、コード、OK。
イグニッションコイル、問題無し。
で、次は
そうです、弊社も関りの有る部分に、いよいよ突入です。
ここから先のトラブルに関しては、中々簡単では有りません。
部品の交換をするにしても価格も高価ですし、廃番になっている場合は手に入れるのも簡単では有りません。
では、仮に自前で修理するとなるとハードルはグンと一気に高くなると思います。
 
話を戻します。
で、次に疑うのは、CDIユニットあたりです。
マニュアルを引っ張り出して、CDIユニットの配線を一本ずつ抵抗値の確認をします。
ここで、不具合が確認できれば、お待ちかね・・・、弊社のお客様になって頂けるわけです。
作業のついでに、配線の外観の状態、通電の状態を確認しますが、ここで、手を抜いてはいけないのが、通電の状態
の確認作業に於いてですが、通常のテスターでの抵抗の計測では安心してはいけません。
と、言うのは、使用されているリード線(AV線)は撚線というもので細い銅線が10本程度で構成されている線で、この中
1本が繋がっているだけでも、テスターを用いた計測では「問題無い」と判断されてしまいます。
点火系のリード線だけでは無く、全てに共通する事なので、注意をお願いします。
ついでにお伝えしますが、アース線、特に接地部分の錆の発生などに因る通電不良にも注意が必要です。
必要な容量を満たしているかの確認が重要です。
時を経た車両の整備は手間が掛かります。
 
話を戻します。
CDIユニットの不良が確認でき、代わりのCDIユニットの手配もでき・・・。
CDIユニットが届いたら、交換して作業終了。
と、いう事で有れば、大した問題は発生しません。
CDIユニットの中にはキャパシタ(コンデンサー)という部品が使用されています。
  CDI → キャパシタ(C)、ディスチャージ(D)、イグニッション( I )です。
この、命の「キャパシタ」の劣化による静電容量(電気を貯める能力)の低下が、点火に影響します。
単に、キャパシタの劣化だけの問題であれば、CDIユニットの交換で気持ち良く作業を終了させる事ができます。
が、更に、「発電量」の劣化を抱える車両も少なくないと思われます。
 
話は横道に入りますが、
発電量の劣化も当然ですが、点火に大きく関わってきます。
点火の「基」ですから。
CDIユニットを交換したにも関わらず、エンジン回転の頭打ちが早いとか、高回転域でミスが起こるとかいう症状です。
これらは、発電量不足に陥った場合の症状で、ほぼ間違いが無いところと思います。
例えば、CDIユニットの状態は問題無し。
でも、エンジンの吹き上がりも良くないし、頭打ちも早いといった場合はジェネレーターコイルにトラブルを抱えている
と、判断して良いと思います。
 
弊社CDIユニットのクレームを頂く中で、最も多い事案です。
弊社の保証内容では、① エンジンが始動できない。 ② エンジンの回転が上がらない。
といった、2点に関しては、CDIユニットの不良が原因として、即刻対処させて頂いております。
始動後アイドリングは安定し、無負荷時の回転上昇にも問題は無い、として。
走り出すと、エンジン回転の頭打ちが早い・・・。
という事で、CDIユニットの保証を要求してくる方が多くいらっしゃいます。
この事例では、CDIユニットの不良では無く、車両側の不良と判断させて頂き、保証対象外です。
内容を解りやすく簡単に説明しますと、
CDIユニットは発電した電気をキャパシタに貯めて置き、点火信号を受けて、キャパシタに貯めて置いた電気を放出する。
CDIユニットの仕事としてはこれしかしていません。
エンジン回転の上限を決めているのは、電気的には発電機です。
なので、エンジンが始動しない、あるいは無負荷状態でエンジン回転が上がらないといった内容ではCDIユニットの
不良という事で、恐らく、発電は交流のため、整流器を使用しておりますが、その整流器の不具合か、点火信号の
処理部あたりの不具合が原因という事で、保証させて頂いております。
しかし、回転リミッターのような細工は一切有りません。
有るとするならば、「キャパシタ」の容量がそれにあたります。
しかし、弊社製CDIユニットの容量は、純正CDIユニットに使用されているキャパシタと同容量から10%増程度です。
なので、静電量に因る回転の頭打ち現象は5年程度の使用では起こらないものと考えます。
エンジン回転の頭打ち現象は発電容量や発電電圧の不足に因るものであり、イグニッションチャージコイルの劣化
が原因と思います。
 
余談ですが・・・。
ジェネレーターに使用されているモーター線の径をご存じでしょうか?
.約 0.15 mmです。
これが何十年もの時間を経て、日々、熱と電食やサビに晒されて、ほんの少しだけ痩せたとしても、とんでもない事
になる様な気がします。
 
CDIユニットとチャージコイルとの問題。
CDIユニットの故障が疑われ、弊社CDIユニットに交換されたお客様からの苦情を紹介します。
「CDIユニットを変えたのに高回転域が使えないから、キャンセルしたい」
というような案件が数件ございました。
初期の頃は、RZ系 4L3 や 4U0 に多く、最近では、RZ-R系 29Lや 51L などに移行しております。
どういうことか、お解かりでしょうか。
そうです、古いものから劣化が露呈するという事です。
CDIユニットを交換したにもかかわらず、結果がダメという事で、「CDIユニットがダメ」、「不良品掴まされた」
となるのでしょう。
不良品が絶対無いとは言えませんが、不良品を量産しているわけでもありません。
不良品を承知で売るような真似をしていたら、ほんの数か月で商売は立ち行かなくなるのは明白です。
残念ながら、不良品を売って人を騙そう・・・なんて度胸は私には有りません。
そのような場合は、症状をお聞きし、色々アドバイスを差し上げるのですが。
結果として、良い結果を得られたお客様も多くいらっしゃいますが、そうでない人も。
そうでない人の多くは、ジェネレータの点検を勧めても確認して頂けない場合が多いです。
「借りてきた純正CDIユニットでは、問題が無かったので、弊社のCDIユニットはいらない」
と、拒絶されてしまうケースが殆どでした。
 
中古の古いCDIユニットだと点火するという事は、なんら不思議な事では無く、単に判断を惑わす原因のような事象
で有り、ジェネレーターの正しい発電量を示すものでは無いという事をご理解頂きたいと思います。
実走するとすぐに分かって頂けると思いますが、高速でのトルク感は薄いと思います。
 
なぜ、そのような事が起こるかというと、
CDIユニットのキャパシタの静電容量が劣化して少なくなる一方、ジェネレータの出力も劣化して少なくなり、結果低い
レベルでバランスがとれていた事によるものと思われます。
この辺りが後々色々と判断を惑わせる切っ掛けを生む事になると思うのですが、その時点では見つけられないのが
往々にして出くわす、見えないトラップのように思います。
 
現に、私が経験済みの事象そのものなので、その辺りは何の説明も無く理解できます。(参照ページ)
 
CDIユニットを新品にした場合、ジェネレータの出力も劣化が取り残され、CDIユニットのキャパシタの静電容量が満
たされなくなり、エンジンの始動不良やエンジンの回転上昇に満足のいかない結果が生じるという事になります。
RZ系は「フラマグ点火」と呼ばれている点火システムを採用しています。
このタイプは、エンジン回転の上昇と共に、点火用ジェネレータで発電される電気も強力になっていくタイプですので、
エンジン回転が上がると共に、点火に対する「要求電圧」も上がるわけですが、供給側も、エンジン回転に追従する
事ができるので、シンプルで確実な手段と理解しております。
 
CDIユニットの機能点検の際は、必ずジェネレータも一緒に機能点検することをお勧めいたします。
 
オートバイ専門店でも、チャージコイルの点検整備はマニュアル通りというのが一般的な事で、電圧や電流を計測
するといった作業はしないと思うので断線は見つけられても、劣化の症状を見つける事は難しいのが現状です。
 
色々と言葉を並べさせていただきましたが、数十年の時を経た車両たちの世話をするのは楽しくも有り、苦しくも有り
といったところの気持ちはここを訪れていただいた方々に比べても、勝とも劣らないつもりでございます。
どうぞこれからもよろしくお願いいたします。
 
ご意見、ご希望、ご質問、など、あるいは、お困り事など有りましたら、お気軽にお声掛けいただければと思います。
オートバイや自動車など点火系に関わらずどんな内容のお話でも差し支えありません。
但し、最近の電気仕掛けが満載された車両などに於きましてはついていけない場合もございますので、お手柔らかに
お願いしたいと思います。
 
ご購入をお考えの方へのお願い。
 
上記でお伝えさせて頂いた内容をご理解して頂いたうえ、購入をご検討頂きたいと思います。
 
弊社CDI をご購入して頂いた後、CDI の初期不良という事で代品をお送りさせて頂き、状況が変わらず、後から
現車側にトラブルが見つかったという事で、結果、保証対象外という事例が割と多く有ります。
本来、事前に車両管理ができていれば防げる事象です。
 
今後の対応としては、保証要求時は、車両側のデーターを提示して頂いてからの対応という事でご理解頂け
ますようお願いします。
販売時には、全商品に保証書をお付けし、一定期間製品の保証をさせて頂きます。
 
 
以上、長々とお付き合い頂きありがとうございました。
 
   
ご意見、ご希望、お気軽にどうぞ。 info@teproduct.com
ご質問なども受け付けております。  
   
   
  2024.10.28 更新
   
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